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いつもお世話になっている庄司さんの紹介で、新しい患者さんから予約の申し込みが入った。ありがたいことである。ところがあいにく空いた時間がない。こんなことはめったにないのに、すでに来月まで予約待ちの状態がつづいているのだ。
「なんとかなりませんか」
心細そうな声で頼まれても、すぐには来ていただけそうになくて、私も弱り果てた。
その方はしばらく前から股関節が痛くて、歩くのもままならないらしい。思い切って病院を受診したら、手術しないと治らないといわれてショックを受けていた。
しかしたまたま似たような症状の友人がいて、彼女が背骨のズレの矯正だけですっかり痛みが消えた話を聞いて、すがる思いで私に連絡してこられたのである。
股関節に痛みが出るのはめずらしいことではない。股関節痛の人は思っている以上に多いもので、痛みだけでなく歩きにくさまであるから、なかなか厄介な症状なのだ。
しかも病院に行ったからといって、すんなりと治るものでもない。人によっては股関節脱臼だと診断されることもある。また手術の対象になってしまうこともよくある。
だが、股関節に症状があるからといって、必ずしも股関節そのものが悪いわけではない。腰の骨がズレて、股関節に向かう神経が刺激されたことで症状が出ているだけの人もいる。ズレが原因なら、そのズレさえ矯正すれば、股関節の症状も消えてしまうのだ。
しかし、このことは一般には知られていない。医師だって知らないのだから知らなくて当たり前だけれど、実は股関節に症状が出るのも、しくみはひざ痛と同じなのである。
ただしひざ痛とちがうのは、長期間にわたって股関節に痛みがある状態がつづいていると、いつしか本当に股関節そのものの問題も引き起こしてしまう点である。
だから、股関節痛の人は早めに腰の骨のズレを矯正すべきなのだ。それなのに、今回の患者さんには、すぐに対応できないのがもどかしい。
そのとき、ハッとひらめいた。そうだ。この間、モルフォセラピーで奇跡を起こしたセイント関口先生にお願いしてみよう。
先生は外科医でもあるから、手術が必要だといった医師の判断の根拠も理解できるはずだ。しかも腰の骨の矯正なら、すでに先生はお手のものである。
さっそく関口先生に連絡して事情を説明したら、「エッ、オレでいいの?」といいながらも、すんなりと引き受けてくださった。
先生には、腰の骨のズレと股関節痛との関係をしっかり説明し、できるだけ間をおかずに矯正してあげてくださいとお願いしておいた。
すると一週間ほどして、先生から電話がきた。
あれからすぐに予約を入れて、数回の矯正で患者さんの股関節の痛みが消えた。そして歩行もかなりスムーズにできるようになったらしい。
「この調子なら、別に手術なんかしなくてもいいんじゃないかな」
という話だった。すばらしい。あまりの即効性に、思わず私の口からは「スゴイッ」とおどろきの言葉が出た。先生も、電話口で「エヘッ」と笑って、まんざらでもなさそうだ。
それで思い出した。関口先生は、自称「ほめられて伸びるタイプ」である。年下の私がほめるなんて、どこか失礼な気がしていたけれど、やっぱりもっともっとほめてあげたい。だってそれって、本当にスゴイことなんだから。(つづく)
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