数年前、西洋中世美術史学者である馬杉宗夫先生から何冊かご著書をいただいた。そのなかの1冊に『黒い聖母と悪魔の謎』(講談社現代新書)があった。

 
この本のなかに、中世までとルネサンス以降とでは、絵画での視点が左右逆転している話が出てくる。これは大変興味深く、いつか私の頭のなかで整理がついたときに、改めて先生にお目にかかって話をうかがおうと考えていた。

 
今回のメールマガジン(2019年1月号)でやっと【「モナ・リザ」の謎と鏡文字】という話としてまとめることができた。だが残念なことに馬杉先生は昨年亡くなられてしまっていたのである。

先生のご冥福をお祈りいたします。(花山水清)