小説表題イラスト01
20世紀末の日本において、ある一人の男Mが齢40にして美術の世界から民間療法の世界へと飛び込んだ。彼は美術家として培った能力によって、人体にある特異な現象を発見。その意味を知って震撼する。

だがこの現象の存在を訴えるMの発言は、既存の社会からはことごとく排除されていく。この現象がもたらすインパクトはあまりに巨大で、同時代の人間の多くには全容を把握することさえできなかった。そして理解できた人間は、自らの立場を守るために沈黙し、Mにも沈黙を強いるしかなかったのである。

彼はその後もさらに現象の解明に年月を費やし、ついには老いと呼ばれる年齢を迎えた。「このままでは神から託された預言が埋もれてしまう」と焦るM。彼が見つけてきたもの、成し遂げたものとは何だったのか。果たしてその真実が正しく評価される日は来るのか。

*目次

序章
005  インド人の親切は方向がちがう!
006  コウモリ、サソリ、コブラと暮らす
007  サソリより痛いスコーピオン・アントの猛毒と激痛体験
008  ベジタリアンでは体がもたない
009  巨大なマトリマンディアで瞑想に挑戦
010  インドのアフリカンダンスで撃沈
011  解脱をめざして本場インドでヨガ修行
012  お花の朝露療法で心のトラウマを癒やす
013  インド伝承医学アーユルヴェーダの秘薬
014  インドのお宝で物欲再燃、解脱から脱落
015  奇跡の輪郭 フランス人青年ミシェルとマッサージ師アドン
016  カルカッタの人混みでインド人のひざ痛を治す
017  本場インドのオイルマッサージ師と頂上対決!
018  1杯2000円のコーヒーとインドの外国人専用歯科
019  特大パワーストーンの魔除け効果とヒーリング
020  寒気と高熱で気絶したあとのイタリアン味噌汁
021  奇跡の人サイババと超能力者の使命
022  ヒンドゥー教の火渡りと御柱祭の岡本太郎
023  断食修行で死にかけて得た悟り
024  河口慧海の求道の旅とヒマラヤの聖者
025  シッキムのラマ教寺院で究極の悟りに至る

立志編
026  ホームレスと劇症型風土病
027  それぞれの旅立ちと永遠の別れ
028  池袋の怪しい整体学校と新たな人生の始まり
029  ハデな「ランバダ流」整体 VS 白衣を着た「〇〇流」整体
030  スナックの厨房バイトと唐獅子牡丹
031  極妻との一夜に輝くサファイアと円空仏
032  だれも知らない整体の歴史と気功治療への道
033  気功の達人になって相手を倒す
034  気功治療のディープな世界
035  気功で悪霊を封じ込める!?
036  漢方医学の真髄は気功と占星術にあり
037  100%絶対当たる占いで未来を知る
038  占い師プロデビューと整体学校の卒検突破

開業編
039  整体で開業したら人の体に触れるのが怖くなる
040  整体の限界から特殊美術系オリジナル手技へ
041  整体師から「おっぱい先生」へ転身
042  特殊美術の技で内臓を見抜く
043  ロックコンサートでデビューを飾る
044  出産に立ち会って背骨のズレをもどす
045  釣りに行って命がけのレスキュー
046  奇跡は起きるのか① 脳性麻痺の健太くんとの出会い
047  奇跡は起きるのか② 健太くんのトレーニングを始める
048  奇跡は起きるのか③ 突然しゃべり始めた健太くん
049  奇跡は起きるのか④ ボランティアの落とし穴
050  奇跡は起きるのか⑤ イルカと泳ぐと癒やし効果がある!?
051  奇跡は起きるのか⑥ カメラが捉えた奇跡、その後。
052  奇跡の代償
053  ヘルニアも坐骨神経痛も腰痛もみな同じ?
054 「の」の字で腎臓病を治す勉強会に潜入
055  凸凹会の腰痛治療と迷走神経刺激で得た悟り
056  民間療法の世界はゴッドハンドで花盛り
057  お坊さんと金髪さんの危ない一夜
058  四つ足の動物だって腰痛になるのヨ
059  ペット愛にも苦しみと別れがついてくる

現象発見編
060  突然おそいかかった肺がん
061  水は気を通さないから気功でがん治療はできません 
062  手のなかに残された記憶と挫折
063  再出発と左の腰のこぶ
064  突然やってきた激痛と左腰のしこりの変化
065  人体の未知の現象との格闘と再生
066  バトル再開から病気のシステムに迫る
067  医学への疑問だらけで新たな壁にぶち当たる
068  子宮頸がんの患者の背中にあったのは…
069  初めて知ったがんの感触
070  これは体に現れる「がんの前兆」なのか
071  無料奉仕でがんに挑む
072  自然治癒力でがんは治るのか
073  大量の健康食品で生活苦
074  がんがあるとリンパが硬いイクラになる!?
075  がんが消えた!
076  悪い予感が的中する
077  がん患者との間でゆらぐ信頼関係
078  日常に潜むサスペンスドラマ
079  農薬を頭からかぶって危うくオダブツ
080  がんの手術は成功! しかしそこにあったのは!?
081  新たな試練が舞い込む
082  たったこれだけで「がんの痛み」が消えたの?
083  世紀の大発見! 背骨は左にしかズレない
084  左の起立筋は手ごわい
085  これは大事件かもしれない!
086  追い詰められてもうどこにも逃げ場がない
087  エエかっこしいはツライよ
088  もしも私のがんが治ったら…
089  家で死ぬのってたいへんなんだ

090  背骨がズレて咳が止まらない
091  散り際の美学
092  親戚が集まると、ろくなことがない
093  冠婚葬祭もつづくが同じ症状の患者もつづく
094  初めて看護師さんに施術法を伝授する
095  それは本当にがんなのか
096  よろいを着込んだがん患者たち
097  この病院からすぐ逃げなさい!
098  教授の執刀は怖い
099  病院から逃げた瀬尾さんの運命と頚椎矯正の苦闘
100  腕を引っ張られると激痛になる

101  冬が近づいている
102  友人が立て続けに去っていく
103  歯槽膿漏から歯肉がんの宣告
104  ベタベタタイプの患者になっちゃイケない
105  セカンドオピニオンと複雑な心のしくみ
106  カリエスってミステリアス
107  エッ!くも膜下出血!?
108  両手の脈をみると動脈瘤がわかる
109  過労死してでも締め切りだけは守れ
110  クラゲの怨念はつづく
111  南国リゾートでのダイビングと窒素酔い

普及編
112  整体の学校で新しい技を披露する
113  がん患者の知覚異常に立ち向かう神経刺激

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